放課後、ずっと君のそばで。
「コウちゃんは叶ったね」
私が微笑みながら言うと、コウちゃんは鼻で笑った。
「あの頃は、キャプテンになることだけしか考えてなかったからな」
「キャプテンになった俺、カッコいい!!って、想像して興奮してたもんね」
幼き頃のコウちゃんを思い出して真似をする。
「もっと......上を目指さないとな」
今まで小さく笑っていたコウちゃんが、急に真面目な表情になった。
「莉子、ペンかして」
「え? あ、はい」
私は、机の上に置いてあった3色ペンを急いで渡す。
コウちゃんは、カチっと赤色のペンを押して、手に持っている画用紙に何かを書き始めた。
ボールペンが細いので、文字を何度もなぞって太くしている。
書き終わったコウちゃんが、画用紙を私に見せてきた。
「インターハイ、出場......」
私が小声で言うと、コウちゃんは少しだけ口角を上げた。