放課後、ずっと君のそばで。
それに、弱くなっている自分に負けないようにするため。
私は、一度コウちゃんに目を向けてたから、ボールペンを持つ右手に力を入れた。
『普門館』
赤色のペンで、強く、太く、力強く書く。
他の言葉は必要ない。
ただ、シンプルに、普門館のみ。
それが、私の夢だから。
チラリとコウちゃんを見ると、コウちゃんは満足そうに口元を動かして柔らかい表情をしていた。
「叶えようぜ、絶対」
コウちゃんが私に拳を向ける。
私は、コクンと強く頷いて、コウちゃんの拳に、自分の拳をぶつけた。
きちんと目指そう。
小さい頃からの、夢だったんだから。
立花くんの言っていた〝短い命〟に、全力をかけて挑んでみよう。