放課後、ずっと君のそばで。
コウちゃんは大人気
「白石! 早かったな」
「立花くんこそ」
朝、音楽準備室に入ると、すでに立花くんが楽器を取り出しているところだった。
いつもより早く家を出たつもりだったのにな。
コウちゃんと夢を語り合ってから、もう一度真剣に取り組んでみようと思った。
最近の私は落ち込むことばかりで、それを乗り越えることは考えていなかったから。
〝普門館〟
そこに行くことが、私の小さい頃からの夢だったのに。
「白石、先に音楽室入って、曲、合わせてみようぜ」
トランペットを片手に、立花くんが隣の音楽室を顎でさした。
私は急いでトランペットをケースから取り出して、コクンと頷く。