放課後、ずっと君のそばで。


「きゃゃゃゃゃあ!!」


今まで試合に集中していた女子から、急に黄色い声があがった。


愛美とふたりで肩をびくつかせて見てみると、みんな男子のコートを見ている。


ちょうど、コウちゃんがゴールを決めたところだった。


コウちゃんはゴールを決めると、すぐに味方チームに囲まれ肩を組まれたり髪をグシャグシャに撫でられたりしている。


コウちゃんはジャージの上を脱いで腰に巻き、ボサボサになった髪を頭を振って元に戻そうとしていた。


殆どの女子が、コウちゃんを見て胸を踊らせていた。


「うわ、真田くん、すっごい人気」


私の隣で愛美がポカンとしながら言う。


「ウチのクラスの半分くらいが真田くんのこと見てるんだから、一体この学校に何人くらいファンがいるんだろうね」


愛美に言われ、胸が軋んだ。


本当に、すごい人気だ。


この学校で一番かもしれない。


スポーツも出来て、勉強も上の方。


ルックスもスタイルもいいし、人気じゃないほうがおかしい。


そんな人気者と幼なじみというだけで気が引ける。


ましてや、好意を寄せていると周りにバレたら、みんな笑うに違いない。


コウちゃんだって、何の取り柄もない私が好きだって知ったら、きっと失笑すると思う。


芸能人と一般人のように、住む世界が違う。


そう、思うんだ......。


< 77 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop