放課後、ずっと君のそばで。
私は私なりに頑張ってる。
だけど、何でだろう......。
去年みたいに、絶対に大会に出てやるって意気込みが、ないような気がするの。
もちろん、大会には出たい。
小学生の頃から全国大会を夢見てきた。
その夢を叶えられるのは、今年が最後だ。
本当は去年以上に、絶対に普門館に行ってやるんだって強く思わないといけないのに。
私の中の不安は、どんどん大きくなっていくばかり。
「コウちゃんはどうなの?」
私が聞くと、今まで前を向いて歩いていたコウちゃんが突然立ち止まり振り返った。
その衝撃で傘がぶつかり、滴が顔に飛んでくる。
滴が目に入らないように咄嗟に目を瞑ってゆっくり開けると、コウちゃんの不機嫌な顔が目の前にあった。
「あのな」
声も機嫌が悪い。
「俺のことはいいの。俺は試合に出られんの」
コウちゃんが人差し指で、私の鼻をついてくる。
私は体を少しのけ反らせ、上目遣いでコウちゃんを見上げた。