放課後、ずっと君のそばで。
神様、お願いします。
どうか、オーディションうまくいきますように。
私が心の中で神頼みをした、その時。
スカートのポケットの中で、スマホがブブっと短く振動した。
ポケットから取り出して見ると、コウちゃんからライン。
『莉子らしくがんばれ』
絵文字もスタンプも何もない、味気ないメッセージ。
それがコウちゃんらしいけど、ニッコリマークくらいつけていてくれたら、少しは気が紛れたかもしれないのに。
チラリと時計を見ると、もう30分も時間が過ぎていた。
どうして今日はこんなにも時間が早いんだ。
いつもはゆっくり過ぎていくのに。
口から水分が奪われカラカラだ。
私は干からびそうな喉を潤すため、唾を1滴飲み込んだ。