だから、お前はほっとけねぇんだよ
『……お前は、無しにできんのかよ』
7月から8月へと移り変わり、夏休みもやっと本番。
空には高く高く、入道雲。
太陽はギラギラときらめき、昼間はクーラー無しでは過ごせなくなってきた。
……そんな時、ゆっちから夏らしい誘いが入ってきた。
「……海?」
「うん‼せっかく夏なんだし」
一週間前にゆっちから遊びの誘いを受け、久しぶりに2人仲良くショッピング。
その帰りに寄ったファミレスで、ゆっちは皆で海に行こうと言ってきた。
「えーバイト入ってるしな……」
もともと、インドア派なあたしはあまり乗り気じゃない。
日焼けしちゃうし……
水着で出費かさむしな……
「んー……どうしよ」
「…………」
あたしを黙ってみてたゆっちは突然、ニヤリと口角を上げた。