だから、お前はほっとけねぇんだよ

「こらっ!」



ぷんすか理英子さんが怒ったおかげで、両手がやっと解放された。



「琥侑‼親に向かってババアって何よ!」



……やっぱり。

あたしは恐る恐る琥侑の方へと振り返る。



「ぇ……」



……そこには何故か黒いエプロン姿の琥侑。

エプロンの後ろには白のカッターシャツと黒のズボン。


コスプレかなんか?



「り、理英子さん……あの……?」



何が何だかサッパリのあたしはオズオズと理英子さんを見つめる。



「ああ、昨日から琥侑も店手伝ってくれてるの。だからこんな格好なのよ」



「結構サマになってるでしょ」と、笑いながらあたしの耳元で呟く理英子さん。



……それって、昨日あたしが居なくて大変だったから?

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