だから、お前はほっとけねぇんだよ

……キス?


徐々に近づく琥侑とともに、あたしもゆっくり瞳を閉じる。



「っ‼」



てっきりキスされるもんだと思っていたのに、鼻を摘まれてしまった。


や、やられた……‼‼



摘まれた鼻を押さえて、あたしはキッと琥侑を睨んだ。

そんなあたしに、あのいつもの小バカにした笑顔を見せる。



「やっぱバカだな、お前」



ファーストキスを捧げる覚悟をして、思い切り目をつぶったあたしは、確かにバカ。



でも、そうなったのも……


「こ、琥侑のせいでしょっ!?」



そう言って声を荒げても、琥侑には効果ないみたい。



「はいはい、すみませんでした」



さっきの控えめな雰囲気から一変、いつもの偉そうな意地悪大魔神に豹変している。


最近優しくなったと思ってたのに‼

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