だから、お前はほっとけねぇんだよ

完全にムカついたあたしは、琥侑を無視することに決めた。


「フンッ‼」と、勢い良く琥侑に背を向ける。


すると、急に黙る琥侑。



「…………」



もしかして、こちらに対抗して琥侑は黙り作戦……とか?



急に不安に駆られたあたしは、そろそろ振り向こうとした瞬間。



「なぁ」



そう言って、琥侑があたしの右肩を触る。

突然のことに驚いて、内心ドキドキしつつ、琥侑の出方を待った。



「こっち向けよ」


「……やだ」



いつになく柔らかい声色の琥侑に、あたしは冷たく言い放つ。


だってあたし、怒ってるんだもん。



「ごめんって」

< 175 / 399 >

この作品をシェア

pagetop