だから、お前はほっとけねぇんだよ

「うん。そーだよ?」


「だったら送ってあげてよ。フリーズしたまんまだし」


「……え゙」



送るって……
アタシ女の子なんですけど。


チラッとてんちゃんを見るとやっぱりフリーズしたまま。


うーん……しょうがない。




「てんちゃん‼起きてー」



あたしはてんちゃんの両肩を持ち、思い切り体を揺する。



「っは‼な……姫瑚……」



我に返ったように、目をシバシバさせるてんちゃん。



「帰るよ」


「え……おう」





……もう夜は深い。

カランカランと下駄の音だけが、住宅街に淋しく響く。

< 218 / 399 >

この作品をシェア

pagetop