だから、お前はほっとけねぇんだよ
「うん。そーだよ?」
「だったら送ってあげてよ。フリーズしたまんまだし」
「……え゙」
送るって……
アタシ女の子なんですけど。
チラッとてんちゃんを見るとやっぱりフリーズしたまま。
うーん……しょうがない。
「てんちゃん‼起きてー」
あたしはてんちゃんの両肩を持ち、思い切り体を揺する。
「っは‼な……姫瑚……」
我に返ったように、目をシバシバさせるてんちゃん。
「帰るよ」
「え……おう」
……もう夜は深い。
カランカランと下駄の音だけが、住宅街に淋しく響く。