だから、お前はほっとけねぇんだよ
ゆっちたちと別れた後、あたしたちはひたすら無言で家路を歩いている。
カランカランとあたしの下駄の音が響くだけで、今日の夜は本当に静かだ。
一緒に帰ったは良いものの……
珍しくてんちゃんは無口だし、あたしから話して良いのかな?
「……なぁ姫瑚」
やっと口を開いたてんちゃん。
それが何だか嬉しくて、あたしは頬を緩めた。
「なぁに?てんちゃん」
「あ、いや……やっぱ何でもない」
そう言って視線を逸らすてんちゃんを、あたしはキョトンと見つめた。
「…?ヘンなてんちゃん」
話あるんなら話せば良いのに……
少しいじけた気持ちで、あたしは口を尖らせながら髪を触った。