だから、お前はほっとけねぇんだよ
「へ?そうなの?」
キョトンと俺を見つめるヒメに、フーッとため息を吐いた。
「……とにかく、天野んちに俺を連れてけ」
「てんちゃんのウチへ?」
ますます現状を呑み込めてない様子のヒメの背中を、俺は軽く押した。
「早く服着替えてこい」
「で、でもバイトは……?」
「俺からババァに言っとく」
とにかく……アイツと話がしてぇ。
そしてヒメが着替えを済ませている内に、俺はババァに適当な嘘を付きアイツを連れ出した。
――ガタンゴトンッ……
電車に揺られ、俺はヒメに連れられて天野の家へと向かう。
「……ねぇ」