だから、お前はほっとけねぇんだよ
「ヒメ、家に帰ってな」
天野の家に着き、俺はヒメに言う。
「へ?アタシも行くよ?」
「アホ。お前まで来たら天野が困るだろ」
「そっか…」と、妙に納得したヒメ。
「じゃあ待ってるからあとで来てね。ウチ、あの角曲がってすぐの所だから」
「わかった。じゃーまたな」
そう言って俺が手を振ると、ヒメは嬉しそうに手を振り返し帰って行った。
やべー
アイツ可愛すぎだろ。
天野が手ぇ出したくなるのも解るな。
……なんてのん気なことを考えながら、俺はインターホンを押した。
――ガチャ
「よお」
そう言いながら黒いドアから出てきたのは、天野護。
「……おう」
俺は低い声で言い、右手をあげた。