だから、お前はほっとけねぇんだよ
俯き俺に謝る天野。
……それはあまりにも情けない姿。
その姿を見た瞬間、俺の何かが音をたてて切れた。
「……んじゃねぇよ」
「は……」
「ふざけんじゃねぇよ!何で謝んだよ‼」
俺は声を荒げ、天野の胸ぐらを掴んだ。
天野は心底驚いた表情を見せる。
「謝るぐらいならキスすんじゃねぇよ‼」
俺がそう言うと、天野はムッと顔を歪めた。
「うっせーよ!好きだからしちまったんだよ‼しょうがねーだろ!?」
「そんなに好きなら告ればいいだろ!?」
「っぐぇ……!?」
天野がまた反抗してこないように、俺は胸ぐらを掴む力を強くする。
「お前は中途半端なんだよ!」
天野の表情が強張ったように見えた。
「好きだけど告れなくて、告れないけどキスしたくて……そんなの中途半端だろ!?」