だから、お前はほっとけねぇんだよ
――ピンポーン♪
「っ‼」
もかしてっ‼‼
勢いよく起き上がり、1階まで走って降りる。
そして数回ほど深呼吸をして、ゆっくりと玄関のドアを開けた。
「こ……」
『琥侑』と呼ぼうとしたが、あたしは途中で止めた。
「……よぉ」
ぎこちない表情で右手を軽く上げた彼。
……目の前に現れたのは、てんちゃんだった。
「め、珍しいね……どうしたの?」
ていうか、てんちゃんって琥侑と話してたんだよね?
琥侑はどこ行っちゃったの……?
琥侑が気になり、てんちゃんの背後に琥侑が居ないか、目だけをグルグル動かし確認する。
そのことに気付いたてんちゃんは、すかさず述べた。
「佐賀里はいないよ」