だから、お前はほっとけねぇんだよ
「どうしたの?こんなトコ来て……」
あたしとてんちゃんは、ちょうど木陰ができて涼しいベンチに座った。
「んーちょっと聞いてもらいたい事あってさ」
そう言って少しだけ微笑むてんちゃん。
……何だか調子狂う。
いつものてんちゃんの笑い方と違って、とても優しかったから。
「……なに?言ってみて」
何となく聞きたくなかったけど、あたしはそう答えた。
……まだ夕方4時くらいなのに、子供たちは誰一人としていないタイヤ公園。
不思議な事なのに、今日はおかしくない気がした。
「小学生くらいから……俺らってずっと一緒じゃん?」
「……うん」
「だから俺、勘違いしてた」
……勘違い?
あたしが眉をひそめててんちゃんを見る。
「俺の気持ちは姫瑚にちゃんと伝わってるって」