だから、お前はほっとけねぇんだよ
「じゃあハッキリ言うけどさー、姫瑚ちゃん佐賀里くんに色目使うのやめてよね」
「……はぃ?」
い、色目??
いつあたしがそんなん使ったよ……
あたしがポカンとしているとマリカちゃんは苛立った表情を見せた。
「一緒に学級委員なったからっていい気になってんじゃねーよッ‼」
「ひッ!?」
ダンッ!と大きな音を立てて、マリカちゃんが壁を蹴る。
そして完全にビビッたあたしを鼻で笑い、胸ぐらを掴んできた。
「ぃ、痛ッ……」
「佐賀里くん好きなのはお前だけじゃねぇんだよ」
だからッ‼
あたしは琥侑の事好きじゃないって‼‼
「あ?何とか言えコラ」
「ぅ゙……」
弁解したいのは山々なんだけど、苦しくて息をすることで精一杯。
もう嫌……泣きたいっ……
「何とか言えって言ってんだろッ!?」
「ひぃ‼」
マリカちゃんが胸ぐらを掴んでいない、もう片方の手を大きくあげた。
叩かれるっ……‼
ビンタを覚悟したあたしは目を思い切りつむった。