だから、お前はほっとけねぇんだよ
『お前のやることなすこと、全部ツボなんだけど』
「ねーねーやっぱ京都って言ったら祇園じゃない?舞妓さん!」
そう言って、ぱらぱらと手元にある旅行雑誌を眺めるゆっち。
そんなゆっちの手を、なっちゃんはギュッと掴む。
「俺、ゆっちの舞妓姿、見たい!」
なっちゃん……
目が輝きに満ちていますよ。
「でも舞妓さんになるのってすごいお金かかるよね。確か5000円くらいしなかった?」
「ほら」と言って、旅行雑誌に載ってる“舞妓さんなろうプラン”を指差したのはがっくん。
……確かに高い。
「……じゃあ無難に清水とか行っとく?」
あたしは何気なく言うと、なっちゃんは再び目を輝かせ始めた。
「清水って縁結びの神社あるじゃん!」
「あーあるね」
「じゃあ俺、永遠にゆっちと幸せでいられるようにそこで願お」
そう言いながら、両手を合わせるなっちゃんはお祈りポーズをする。
「なっちゃんいくら何」
「おい‼」