だから、お前はほっとけねぇんだよ
「ねー、清水以外に龍安寺行く?それとも――……」
旅行の相談をしている間、あたしはこの間のことを思い出していた。
……琥侑と初めて手を繋いで帰ってからも、琥侑の告白ラッシュは続いた。
きっとあたしが不安がると思ったんだろう。
あの日以来、呼び出しすらも行かなくなった琥侑。
その事があってか、1週間も経たないうちに告白ラッシュは途絶えてしまった。
でも、改めて思った。
琥侑ってすごいモテるんだなぁ……って。
何でそんなにモテる琥侑があたしと付き合ってんのかはかなり謎だけど……
まぁそこは自分が傷付かない為にも触れないでおこう。
んー……
でもあたしには、
「琥侑の考えがわからない」
待ちに待った修学旅行当日。
関西へ向けて飛び立った飛行機の中、あたしは深く溜息を吐いた。
「何どうしたの?佐賀里くんの考えってどういうこと?」
隣に座っていたゆっちが目を丸くして、あたしの方へ身を乗り出してきた。
「んーいや。大した事じゃないけど……」