だから、お前はほっとけねぇんだよ
「うんそーなの。何か良くない?」
物凄い満面の笑みで大仏を撮っているゆっち。
こんなに沢山人がいるのに、撮ってるのはゆっちただ一人。
ゆっち、ある意味すごい……
ゆっちの趣味の悪さにあたしが絶句していると、なっちゃんはボソッと呟く。
「俺パンチパーマにしようかな……」
「っ!?」
なっちゃん‼
いくら大仏様がパンチパーマみたいな頭だからって……
ていうか、そこまでしてこれ以上ゆっちの気を引かなくても良くない?
だってもう二人は恋人同士なんだし……。
「ナツ……お前それだけはやめとけ」
琥侑は苦い顔をしながら、なっちゃんの肩にポンッと手を乗せる。
「え?何でよ琥侑ちゃん」
キョトンとした顔で琥侑に聞くなっちゃん。
あたしは緊張した面持ちで琥侑の返答を待つ。