だから、お前はほっとけねぇんだよ
ゆっちの大好きな大仏様とはおさらばし、あたし達はバスに乗って奈良から京都へと向かう。
その間、延々と話すバスガイドさん。
最初は真面目に聞いてたあたしだけど、途中からはすっかり寝てしまっていた。
そしてゆっちに起こされた時には、もう京都に到着していた。
そして次は待ちに待った自由行動の時間‼
「くれぐれもケンカせず、ちゃんと班員揃ってホテルまで戻ってくるように。そして――……」
これまた長ーい担任の話もそこそこに、あたしは隣に座っていた琥侑に小さな声で話しかける。
「ねー最初はどこいくんだっけ?」
「は?知らねーよ、たぶん京都タワーかどっかじゃね?」
「そっか」と琥侑に相づちを入れ、微笑む口元を両手で押さえた。
そんなあたしを、琥侑はジッと見る。
「……楽しそうだな」
「あったり前でしょ!だって……」
このメンバーで頼れる人物が居ないのがちょっとキズだけど……
やっぱそれでも楽しい気持ちのが大きいし。
しかも琥侑と一緒に回れるんだもん。
楽しくないわけないじゃない‼‼