だから、お前はほっとけねぇんだよ

……なんて

本当のことなんて当たり前のごとく言えなくて……



「だって、……なんだよ」



片方の口角だけ上げて、意地悪げに笑う琥侑に返す言葉が見つからない。



「……あ……え、っと……」


「お前、正直に言わねーと後でどうなるか……わかってんだろうな?」



ひぃいいぃぃいッ‼‼


「こ、琥侑と一緒だからだよ‼」



っっっって!

やばーーーー‼


泣く子も黙る琥侑の鬼オーラを見せられ、あたしはとっさに本当の事を喋ってしまった。



「ヒメおま」
「えーそれでは解散‼行ってらっしゃい‼」



琥侑が何か言いかけたその時、担任が大声をあげた。

と、同時にクラスの皆が一斉に動き出す。



……琥侑に深くつけ込まれる前に自由行動になった。



これは……

助かった、のかな?

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