だから、お前はほっとけねぇんだよ
『お前はまだ、悲しむほど努力してねぇ』
「ごめんね、姫瑚ちゃんッ‼あたしどうかしてた……」
バチンッ!と、手を合わせた大きな音が教室に響き渡る。
顔の前に手を合わせたのはマリカちゃん。
「ぇと……」
クラスの人たちがチラチラ見てきて、何だかすごく気まずいのはアタシだけ……?
「あたしホントは姫瑚ちゃんが羨ましかっただけなんだ……」
「へ?」
羨ましい、……とは?
何処を見てマリカちゃんはおっしゃっておられるの?
「安心して!もう2人の恋路の邪魔はしないからっ」
「はぃッッ!?」
あたしは驚きすぎてガタッ‼と席から立ち上がった。
余りの勢いに、椅子は派手な音をたてて倒れる。
そのおかげで、マリカちゃんより注目度が増してしまった。
「な、何か誤解してない……?」
「ううんッ!隠さなくていいの。解ってるから姫瑚ちゃんのキモチ」
「いや、だからさ……」
「これからは佐賀里くんと堂々と愛育んでっ‼」
NOーーーーーーーーッ‼‼