だから、お前はほっとけねぇんだよ

ゆっくりと琥侑を見上げてみると、琥侑もそれに気がついたようで、バツの悪そうな表情をしていた。



「ごっ、ごめん‼‼」


あたしは慌てて琥侑から離れる。



「いや……別に良いけど……」



さすがの琥侑も少したじろいだ様子で、視線をあたしから下げて頭を掻いた。



「ほんとごめん….ってきゃ……」



――バキッ


アタフタとしているうちにさっき琥侑が殺したゴキブリを踏みつけてしまったあたし。

同時に、あたしの顔からサーッと血の気が引いていく。



「きゃーー‼‼」


「おわっ!?」



あたしは興奮のあまり、またもや琥侑の胸に飛びつく。




「ご、ゴキ……踏んだ……踏んだ」

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