だから、お前はほっとけねぇんだよ

「は?……あー、ちげーよ。お前が踏んだのはゴキじゃなくて何かの包み」


「へ……」



琥侑は呆れたように軽く溜息を吐き、あたしが踏んだモノを指差す。

そこには昨日食べたチョコの包みが堂々と君臨していた。



「あ……ごめん……」



自分のあまりのマヌケさに恥ずかしくなり、そそくさと琥侑から離れようとしたとき。



クイッと、軽く琥侑に腕を引っ張られてあたしは再び琥侑の胸の中。


そして琥侑はあたしの肩をグッと抱いた。



「……お前さ、



それワザとやってんの?」



へ…?


「それどういう……きゃっ!?」



琥侑に聞こうとしたとき、ふいに琥侑はあたしの首筋にキスを落とした。



「……わかってんだろ?」



チラッと横目であたしを見た近距離の琥侑は、いつもより幾分も綺麗で妖しい。


そんな琥侑に見つめられたあたしは、グッと喉の奥が熱くなった。

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