だから、お前はほっとけねぇんだよ

「ヒメ」


琥侑はあたしの名前をハッキリと呼び、徐々に顔を近づける。


そして唇が重なるまで、あと5センチ……



「ちょ……っ待ってよ‼」



あたしは琥侑から視線を外し、軽く彼の肩を押してキスを拒んだ。



「待てない」



そう言うと、琥侑はあたしの手首を掴み、強く見据えてきた。



「ほんとに待――……


っん‼」



あたしが顔を上げた途端、琥侑は乱暴に唇を塞いだ。



「む……ぅ……っ」



何度も何度も角度を変えて、琥侑はあたしに深い口付けをする。


そんな琥侑にあたしは何もできなくて、拒む腕の力が入らなくなっていってる事だけ理解できた。



「っ琥侑……」


「黙って」



キスをしたまま、あたしは琥侑に促されて風呂場からベッドまで連れて行かれた。

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