だから、お前はほっとけねぇんだよ

すると琥侑はフッと笑みを零した。


「なに?そんな事かよ」



ひょいっと体を起こし、あたしからどいた。



「そ、そんな事って……」


ひどい。

あたしずっと悩んでたのに……。



あたしは奥歯を噛み締め枕を胸の前で抱き締めた。



「あのなぁ……好きになるってもんは理屈じゃねんだよ」


あたしの手を取り、あたしを起き上がらす琥侑。



「ヒメのどこが好きとか、別にねぇんだよ。ただ……」


「……ただ?」


「楽しい時とか嬉しい時とか、傍にお前が居てほしいなって思うだけ」



そう言って口角を上げる琥侑に、あたしは胸を射抜かれた。



……ホントに、

コイツにだけは敵わない。



いっつもあたしを勝手にドキドキさせて、好きをもっと深くしていくんだ。

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