だから、お前はほっとけねぇんだよ
「ま、早く持ってくぞ」
琥侑はそう言って、ダルそうに重い腰を上げる。
「あ、うん」
琥侑はノートが集まっている教卓の方へさっさと歩いて行くから、あたしも慌てて後を追った。
……しっかし、
何で手伝ってくれる気になったんだろ……
なっちゃんが手伝うって言うまで全然やる気ゼロだったくせに……
う~ん……
「なぁ、お前ノート置かねーの?」
「は?」
意識を辺りに集中させると、何故か職員室。
どうやら考え事に夢中になり過ぎて、職員室に着いたことに気づかなかったみたい。
目の前には面白そうに口角をニヤリと上げている琥侑の姿。
「おっ置くし‼」
くうぅぅうぅううッ!
琥侑の意地悪‼‼
さっきの出来事が物凄くムカついたあたしは、教室へズンズン進む。
2メートル後ろには、それを可笑しそうに眺めてちんたら歩く琥侑。
最悪最悪最悪最悪ッッ‼‼
「…………なぁ」
「…………」
「なぁ」
「何ッ!?」
しつこい琥侑に苛立ったあたしはすごい勢いで振り返る。
「お前、ナツが好きなのか?」