だから、お前はほっとけねぇんだよ

「やっぱりな」


しらっと、バカにしたような目で先生はあたし達を交互に見る。



「けど、益森が思ってるよな事は一切してない」



すると先生の目の色が変わった。



「……嘘だろ?」


「男として恥ずかしいような事、俺は嘘で言わない」


「そうか、じゃあ本当なんだな」



何よこの変な会話ー!

恥ずかしいにもほどがあるわ‼‼



「俺は自分の行動に後悔はしてねぇ」



……え?

ふいの発言に驚いて琥侑の顔を見ると、琥侑は強い瞳でまっすぐ益森先生を見ていた。



「だからラブホに行った事は謝らない」


「……琥侑」



琥侑の言葉といい、目力といい……何だかあたしはグッときてしまった。



「ほんと……佐賀里には敵わないな」



フッと笑みを零し、先生は机に置いてあったタバコに手を伸ばす。

< 314 / 399 >

この作品をシェア

pagetop