だから、お前はほっとけねぇんだよ

「バーカ、何言ってんだよ」


「ぎゃ!?」



バチン!と大きな音をたてて、琥侑はあたしの額にデコピンした。



「痛~」


あたしは額を押さえながら、琥侑から離れる。

そんなあたしを放ってスタスタと廊下を歩き出した琥侑。





「まぁ……」


すると、数十メートル先まで歩いた琥侑はピタッと足を止めた。



「ありがとな」



顔だけを振り向かせ、琥侑はあたしに笑って見せた。



「っ‼‼」



その格好良さといったら何と言って良いものか。

とにかく最上級に素晴らしい、ハイパー笑顔だった。



「こ、こちらこそどーも‼‼」



ドキドキしすぎて言動が可笑しくなったあたしは勢い良く琥侑に背を向け、足早に廊下を歩き出した。






さて。

次の日からの修学旅行も素晴らしく最高だったというのは……言うまでもない。



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