だから、お前はほっとけねぇんだよ
「何って……
家の手伝いだけど?」
「へ?」
い、家の手伝い??
「何か俺ん家のケーキ屋、今月のタウン誌に載ったみたいで最近客が増えてんの」
「す、すごぉい……‼」
シラッとした琥侑とは対照に、あたしは好奇の目を光らせる。
タウン誌に載るのもすごい事なのに、ましてや繁盛するなんて……琥侑、スゴイよ‼‼
「……じゃ、俺帰るから」
「へ?ちょちょ……!待ってよ‼」
あたしがそう言うと、琥侑は軽く溜息を吐いた。
「俺は家を当分手伝うから。そしたら放課後、お前をかまってる暇なんてないの。以上‼」
「えっ‼ちょ……琥侑!」
あたしが声を荒げているにもかかわらず、琥侑は無視してさっさと店を出て行ってしまった。
そ、そんなァ……
せっかく修学旅行終わってLOVE度UPするかとおもいきや……まさかこんな事になるなんて……。
いや、そりゃ学校で毎日会ってるよ?
でも……
それでも、もっともっと一緒に居たいもん。
「そうだ‼」
あたしは良い事を思いつき、すぐさまスマホを手に取った。
「あ、もしもし理英子さん?」