だから、お前はほっとけねぇんだよ

「へ?手伝いって……何の?」


「ケーキ作りのだけど」



しらっとした視線であたしを見る琥侑。

……その白いエプロン姿、なかなかサマになってて格好良い。



「は?でも琥侑……夏休みはあたしと同じように店番してたじゃん」


「別にどうでも良いだろそんな事」



そう言い捨てて、琥侑はさっさと厨房へ行ってしまった。


そんな琥侑に何だか納得いかないアタシはぷぅっと頬を膨らませて、レジの前で頬杖をついた。



「あ、こらヒメちゃん!お客さんの前でなまけない‼」



しまいには偶然やって来た理英子さんに怒られる始末。



……むぅー

何か、全然楽しくないんですけど。



自分が思い描いていた琥侑の家でのバイトとは180度違うこの状況。

そんな状況にあたしは何だか面白くなかった。













「お疲れ様でしたァ……」


「はい、お疲れー」



あっという間に時間は過ぎ、バイトは終了。

着替えも済ませ、あたしは店を出ようとした。


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