だから、お前はほっとけねぇんだよ

――カランカラン♪


「ただいまー。あ、ヒメちゃん‼久しぶりぃ~」


「莉那さん……」



仕事帰りの琥侑のお姉さん、莉那さんにばったり遭遇。



「あれ?ヒメちゃん元気ないね」


「そんな事ないです……」



莉那さんはあたしの顔を覗き込み、心配そうな表情を見せる。



「ウソ!大丈夫じゃないくせに。何があったの?あたしで良ければ話聞くよ?」



莉那さん……


莉那さんの優しさに、ズキュンと心を打ち抜かれたあたしは急に泣きそうになる。

そんな衝動を抑え、あたしは言った。



「実は……気になる事があって」


「何?」


「莉那さんは、琥侑が……

何で厨房を手伝ってるか知ってますか?」



すると莉那さんはパチクリと目を瞬きさせる。

そして「んー」と言って腕組みをした。



「あたしも良く分かんないけど……あの子毎日、夜遅くまでケーキ作りの練習してんのよね」


「へ……?」

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