だから、お前はほっとけねぇんだよ

「だから、ナツはやめとけって言ってんだよ」


「なっ!?何でよ!?」


「何でも。あ、好きなこと誰にも言うなよ」



……ドーユーコト!?

何で琥侑がそんなこと言うワケ!?


ワケわかんないんですけど‼




自分の用件を済ませた琥侑は足並み軽やかにあたしの横を通っていく。


それまで俯いてたあたしは、琥侑が横に来たときガシッと腕を掴んだ。




「……待ちなさいよ」


「あ？何か言いたい事でもあんの？」



何か言いたいこと？

大アリですともッ‼‼



「何よさっきからダラダラと!何でそんなこと琥侑に言われなきゃなんないのよ‼」



近距離で、しかも声を荒げてあたしが言うもんだから琥侑は顔をしかめる。



「うっさいんですけど……」


「うっさいのはアンタでしょ!?」



どう言われたって、何言われたって……



「好きなモンは好きなの‼」



アンタなんかに……

この気持ち解るわけないでしょ？



マリカちゃんから助けてくれたあの時。
なっちゃんの優しく包んでくれた手のひら。

それがどんなに嬉しいものだったか……


そんな気持ち、わかるわけない。