だから、お前はほっとけねぇんだよ
そんな気持ちを込めて琥侑に視線を向けていると、ガヤガヤと人の声が聞こえてきた。
……もうすぐココに人が来る。
あたしは琥侑から視線を外し、腕を掴む力を緩める。
「……とにかく。琥侑がどう言おうとあたしは諦めないから」
あたしは静かにそう呟いて、教室へ走って帰った。
もう知らない。
琥侑なんか……
琥侑なんか……
だいっきらい‼
教室に戻ってからもあたしの怒りは静まらず、胸がムカムカし過ぎて気持ち悪いくらい。
ゔゔ~~
マジで琥侑、嫌だ……
こうやって自分の席でただ悶々としていた。
「ヒメちゃん」
声がしてハッと我に返ると、目の前にはなっちゃんの姿。
「なっちゃん……?どうしたの?」
「ぇと……ちょっといいかな?」
いつもと違う少し緊張した様子のなっちゃんに、あたしの胸がドキンと脈打った。