だから、お前はほっとけねぇんだよ
「1時間くらいで終わる、……かな」
あたしが戸惑いながら言うと、智紗ちゃんは「じゃあ近くの公園で待ってる」と言って去って行った。
……何でだろう。
智紗ちゃんの後ろ姿を見たとき、すごく嫌な予感がした。
そして1時間後、あたしはバイトを終えて智紗ちゃんの待つ公園に向かった。
暗くなった外を見て琥侑はあたしを駅まで送ると言ってくれたけど、うまく断って店を出た。
「何かな?……話って」
公園で待っててくれた智紗ちゃんに缶コーヒーを渡しながら、ベンチに座る彼女の横に座った。
「ヒメちゃん、琥侑くんと付き合ってんだってね。理英子おばさんから聞いた」
「……うん、まぁ……ぅん」
琥侑を好きな智紗ちゃんにどう反応すれば良いかわからず、あたしは曖昧に返事をした。
「その時、琥侑くんの留学のことも聞いた」
智紗ちゃんはプシュッとプルタブを開けた。
開けた部分から、白い湯気が見える。
「アンタ……何考えてんの?」