だから、お前はほっとけねぇんだよ
ごめん、智紗ちゃん。
苦しい思いさせて……。
「……っ」
あたしは何だか涙が溢れそうになって、空を仰いだ。
『俺が良いって言うんだから、いいんだよ』
……そう言った琥侑の表情が、あたしの胸で引っ掛かったままだった。
やっぱり、琥侑に傍にいてほしいとも思う。
だけど、それは琥侑の想いに失礼だ。
あたしの為に自分の夢を諦めようとまで考えた、琥侑の気持ちに……。
あたし、琥侑が大好きだよ?
だから、
だから……
もう迷わない。
オリオン座が綺麗に瞬いている。
さっきまで悩んでいた事が、晴れそうな気がした。