だから、お前はほっとけねぇんだよ
「っ……」
あたしはかじかむ指先で、ポケットからスマホを取り出した。
そして“彼”を呼び出す。
♪~♪~♪~♪
『……はい』
電話越しの彼の声は決まっていつも低い。
違う人と話してるみたいで……何だか不思議。
「ねぇ、琥侑……話したいことあるんだ。今出てこられる?」
あたしは穏やかに、琥侑にそう言った。
―――――
―――
「お前……帰ったんじゃなかったのかよ」
数10分後、明らかに不機嫌極まりない琥侑が公園へやって来た。
「ごめん、実はさっきまで智紗ちゃんと会ってたの」
キョトンとする琥侑。
「は?何で」
「んー……それはヒミツ」
さっきのこと言ったら智紗ちゃんに悪いし。