だから、お前はほっとけねぇんだよ

『お前、何無理してんの?』



……自分でもよく分からない。

何故か足がすくんで動けなくなった。



「ぁ、たし……無理なんてしてないけど」


『してるだろ。明らかにいつもと様子違うだろ』



いつもより低い声。

そういえば最近……真面目な琥侑しか見てないような気がする。



「そ、そんなの琥侑だって一緒じゃん!最近ヘンに真面目だし……」


『ヘンだよ。当たり前だろ』



……当たり前?

琥侑の一言に、あたしは眉をひそめた。



『もうちょっとでお前と会えなくなるんだぞ?普通でいられるワケねーだろ』



琥侑の声がまっすぐとあたしの耳に届く。



『お前だって……ヒメだってそうなんじゃねぇの?』



……冷たい冬の風が、あたしの頬を触る。

ひんやりと涙のすじを冷やした。



「淋……」

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