だから、お前はほっとけねぇんだよ
「ヒメ……」
琥侑があたしの名前を呼んだと思ったら、唇にフッと何かが当たる感触がした。
「っ」
……琥侑とのキスは、あたしの涙で少ししょっぱくて。
琥侑はあたしの頬に当ててた両手を肩にゆっくり下ろし、あたしを自分に引き寄せた。
「言えよ」
……強い言葉とは対照に柔らかな声色。
琥侑の言葉が、あたしの髪の毛に絡まる。
あたしは、抱き締める琥侑の胸にうずまった。
「……っ、
淋しい……」
……ずっと胸に隠してきた言葉が、あっけなく出てしまった瞬間だった。