だから、お前はほっとけねぇんだよ
――――――――
―――――
……あの日から。
琥侑がおかしくなったのはあたしが本音を言った、ちょうどあの日からだった。
「ねー姫瑚、佐賀里くんはいつフランス行くんだっけ?」
あの日から2週間ぐらいたった日。
昼休みにゆっちが何気なく聞いてきた。
「それ前も聞かなかった?終業式の3日後だよ」
「ふーん、ホント……後ちょっとになっちゃったね」
あたしを気にしながらそう言うゆっち。
「そんなしんみりしないでよー!あたし大丈夫だから」
「へ?何で?」
驚いたようにパチクリと瞬きするゆっちに、あたしは「ひみつぅ~」とニンマリと笑った。
……あの日、あたしは琥侑に本音を吐いた。
すると思いのほかスッキリして、センチメンタルな気持ちが少し和らいだ。
自分で片付けようって思う事で、逆に自分に重圧を掛けていたのかも。
「まーよかった、元気になって。姫瑚、この間まで元気無かったでしょ?」
「へ?」
目をパチクリさせるあたしに、ゆっちは「ほら、2人で買い物言った日ぐらいまで」と付け足す。
「ゆっち、気づいてたんだ……」