だから、お前はほっとけねぇんだよ
「バカ‼親友なんだから分かって当然よ!」
ゆっちは笑いながらあたしの背中を勢い良く叩いた。
い、痛いんですけど。
「……でも、
逆に佐賀里くんはブルーじゃない?」
ゆっちは、机にうつ伏せている琥侑に目配せする。
「あー……わかる?何か最近、ずっと変なんだよね」
「ヘン?」
「うん。元気無いっていうか、琥侑のお母さんから聞いたんだけど、留学の勉強もあんまやる気出てないみたい」
ホント……
どうしちゃったんだろ。
もうすぐフランス行っちゃうってのに、頑張ってないなんて……全然琥侑らしくないよ。
あたしは、うつ伏せたままの琥侑をジッと見つめた。
「……佐賀里くんも淋しくなって来ちゃったのかな」
ゆっちは琥侑を見ながらポツリ、そう呟いた。