だから、お前はほっとけねぇんだよ

「淋しい……」



ゆっちの言葉を聞いて、2週間前………琥侑があたしの家の前まで来てくれた日を思い出す。



『俺だって淋しいよ』


……確かに琥侑は、あたしに切なくそう言った。



そうだよね。

琥侑は知り合いが誰一人いない、言葉が通じないフランスに行くんだもんね。


きっとあたしなんかより、ずっとずっと不安だ。



でも、あたしはどうしたら琥侑の不安を消せるんだろ……。



「それかー、姫瑚の事心配になっちゃってきてるか」


「へ……?」



心配?

……あたしが?



「……よく、分かんないんだけど……」



琥侑からゆっちに視線を戻す。



「んーだから、淋しがってたヒメを見てたら、このままフランス行って大丈夫なのかな?とか思ってんのかなって」

「それって……」



あたしが原因ってコト……?

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