だから、お前はほっとけねぇんだよ

《と、いうわけで先日スイーツ王子こと、佐賀里琥侑さんにインタビューして参りました!ではVTRどう》


――ブチッ

あたしはアナウンサーが言い終わる前に、慌ててテレビを消した。








『……じゃあな。ヒメ』



琥侑が日本を旅立って、早くも6年の月日が流れた。


あれからあたしも大人になり、もうすっかり社会人だ。



琥侑は……

フランスに旅立って6年というわずかな歳月で数々の大きな賞を総なめにし、あっという間に有名パティシエへと登りつめていった。




「~~っよし!急がなきゃ」



あたしは落ち込んだ気持ちに両手で頬を叩き、喝をいれる。

そしてマッハで着替えとメイクを済ませ、家を出た。

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