だから、お前はほっとけねぇんだよ

「へ？知らない」


「は？」



し、知らない？


アッサリと即答してきたゆっちに、あたしはキョトンと首を傾げた。



「何で？一緒に来たんじゃないの？」


「……。あぁー……」



思い出したかのように目を大きく見開いたと思えば、気まずそうに目配せする。



「そっか、姫瑚には言ってなかったね。
……別れたんだ。あたしたち」


「えっ……」



わ、別れた…？


「う、うそでしょ？」



あたしは衝撃の一言に驚いて、思わずゆっちの両腕を掴む。



「だって、ゆっちとなっちゃんはあんなに……」


あんなに仲良しで、好き合ってて……



「姫瑚」



ゆっちは慌てるあたしとは対照に、妙に冷静な表情をしていた。



「人の気持ちは変わるのよ？」