だから、お前はほっとけねぇんだよ
「あの……今日って開店パーティーのはずじゃ……?」
あたしが思い切ってパーティーの事を口にすると、男性は笑顔を崩さずに言う。
「ええ。そうですよ?招待状はお持ちでしょうか?」
「あ、はい」
あたしががっくんから貰った招待状を渡すと、男性は「確かに」と言って、一つだけしか置かれてないテーブルまで連れて行ってくれた。
「どうぞ」
あたしは男性に促されるまま、椅子に座る。
そして男性はあたしが座ったのを確認すると、何処かへ行ってしまった。
何コレ。
マジで何コレ。
もしやがっくんは何かのVIPなの?セレブ?
ていうか、これはパーティーなわけ?
一人だけの開店記念で、パーティーになるわけ?
こんな未完成なお店でするのがパーティーなわけ?
「お待たせしました」
一人考えに耽っているとケーキがやってきた。
「あ、どうも」
あたしはやってきたケーキに目を奪われながら、男性にお礼した。
出てきたのはチョコレートケーキ。
あたしはゆっくりと、フォークでケーキを切る。
「……っん」