だから、お前はほっとけねぇんだよ
…………
……ハィ?
「そ、そりゃあ……失恋したからに決まってんじゃん」
当たり前なことを琥侑が聞いてくるもんだから、あたしはさらに戸惑う。
すると、琥侑は目線を窓からあたしにゆっくり移した。
薄暗い教室のせいで、琥侑の顔がよく見えない。
「お前はそうやって失恋しただの諦めようだの言えるほど努力したのか?」
「え……そ、れは……」
……そうだ。
あたしってば心の中で勝手に判断して、結局何もしないまま終わろうとしている。
「まだ、早いんじゃねぇの?」
「……っ」
……確かに、笑っていた。
この空間の色のせいかもしれない。
ただあたしがそう思いたいだけかもしれない。
けれどあたしには確かに笑って見えた。
「お前はまだ、悲しむほど努力してねぇ」