だから、お前はほっとけねぇんだよ
琥侑の言葉は、意外な事にあたしの心に響いた。
きっとこの言葉は嘘じゃない。
きっと琥侑は正しい。
真っ直ぐな琥侑の眼は嘘じゃない。
……あたしはなぜかそう確信した。
「……琥侑」
「ん?何だ」
「なっちゃんを……なっちゃんを呼び出して」
……賭けて見たくなった。
この恋がどう新しい一歩に影響するのか。
どう今までの関係を変えるのか。
もしかしたら、ただ後ろに下がるだけかもしれない。
もしかしたら、今までのように皆で笑えなくなるかもしれない。
だけどあたしは後悔しない。
もう迷ったりなどしない。
正しいかどうかなんて分かんないけど、迷ったときはまた考えればいい。
……そうじゃなきゃ、怖がって進めない。
――――――――
―――――
もう19時だというのに空はまだ薄暗いオレンジ色。
公園にはもう子供達はいなくて、ぽつんとベンチに腰掛けている姿が見えた。
「……なっちゃん」
……なっちゃんはあたしが呼んだことに気づくと、勢い良く立ち上がった。
「ヒメちゃん!」
そう言って笑ったなっちゃんは、初めて会ったときから変わらない。