だから、お前はほっとけねぇんだよ
『だから、お礼ちょうだい』
琥侑が好き。
あたしは……琥侑が好きなんだ。
……でも。
気づいたのは良いけど、この先どうすればいいの?
琥侑には彼女がいて、あたしの気持ちなんか迷惑極まりないだろうし……。
今回ばっかりは、琥侑に相談できないし……。
「うーん…」
待ちに待った夏休み1週間前、クラスの中であたしだけが梅雨から抜け出せずにいた。
「きーこっ‼」
ジメジメしたあたしとは対照に、サンサン太陽みたいなゆっち。
そんなルンルンな彼女は、あたしを椅子ごと後ろから抱き着いてきた。
「ゆっち……」
「ぎゃ‼何どうしたの姫瑚!?」
ようやく、あたしの異変に気付いたゆっちはギョッとして目を見開く。